出エジプト12:2
「この月をあなたがたの月の始まりとし、これをあなたがたの年の最初の月とせよ。
まずこの月とはどの季節からはじまっているのだろうか?
それは出エジプト9:31より季節を推測することができる。
出エジプト9:31
――亜麻と大麦は打ち倒された。大麦は穂を出し、亜麻はつぼみをつけていたからである。
イスラエルでは大麦は3-4月ごろに収穫が行われていた。そのため、この記述から春が新年の始まりであると推測できる。しかし春が近づいたとして、どのように新年の始めを知ることができるだろうか?
それは創世記に答えが記してある。
創世記1:14-15
ついで神は、「光る物は天の大空にあって、昼と夜とを区別せよ。しるしのため、季節のため、日のため、年のために、役立て。
天の大空で光る物となり、地上を照らせ。」と仰せられた。するとそのようになった。
現代では、大麦の収穫によって新年を決定するとしているところもあるが、創世記には天体を「年のため」の基準として創造されたことが記されている。
大麦の収穫によって、およその新年のはじまりが分かったとしても、
大麦の収穫を新年の始まりとするならば、聖書の記述と食い違うことになってしまう。
箴言30:5-6
ヤフワ様のことばは、すべて純粋。ヤフワ様は拠り頼む者の盾。
ヤフワ様のことばにつけ足しをしてはならない。神が、あなたを責めないように、あなたがまやかし者とされないように。
これ以降は、聖書と文献から「新年とはいつから始まるのか?」を見ていくこととする。
現在もっともポピュラーな伝統としては、パレスチナの大麦の実りによって新年を決定するとされている。確かに、「大麦は穂を出し」と書いてはあるが、それを新年と見なすとは聖書のどこにも見当たらない。
ここで確かめなければならないのは、「天でのどのようなしるしが冬の終わりをしらせ、新年が始まるのか?」ということである。
この重要な証拠として出エジプト34章に記述がある。
出エジプト34:22
小麦の刈り入れの初穂のために七週の祭りを、年の変わり目に収穫祭を、行なわなければならない。
ここで”年の変わり目”、英語で”end”と訳されているヘブル語は[H8622](tequphah)である。
この聖句で、「年の変わり目」「終わり」と訳されているのは、年の真ん中にある秋分のことである。なぜなら、収穫祭というのは第7の月である秋に行われる仮庵の祭りと関連して行われるものであるからである。
レビ記23:34
「イスラエル人に告げて言え。この第七月の十五日には、七日間にわたる主の仮庵の祭りが始まる。